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『就活活動』

 アルバイトが忙しく、盆明けに帰郷した娘が帰って行った。
  最近では大学の一応目標とした職業への諦めか、話でもコロコロと行きたい職業が変わっている。
  今年同級生の一人が春先に学業途中で帰ってきて、今はトマト農家の手伝いをしている。親にしてみれば今までの学費が無駄となるが、子にしてみれば家に帰ってきたのだから親孝行か。別に他の家や子と比べるつもりはないので好きなようにすればいいと言っている。ただ、これがしたいから家に戻るならいいが、食に困って戻って来るなとは言っている。親として生き方を自慢するわけではない、何となく大学に行き何となく職に就く。その「何となく」は、つまらない生き方ではないか。
  都会にも田舎にも親の七光り等あるわけはなく、自分の力で先を見つけてほしいと願っているが、さてどのような結果になることやら。


『それぞれの秋祭り』

 旧舘岩村は大きく四つの地区に分かれていて、木賊温泉のある宮里地区は8月16日から18日、前沢集落の下郷地区、湯ノ花温泉の湯の花地区は8月31日から9月1日、高杖や岩下の上郷地区は、9月7日から9日とそれぞれが地区の五穀豊穣を願う村祭りを開催する。行政主導のつまらない生活改善運動なる事で、花火や、子ども神輿を餌に一時「祭り」が統一されたのだが、今は賑やかさはないがやはり旧態依然に戻っていて、昔の様ではないにしろ友人を呼んだり呼ばれたりと親交を深める一つの行事となる。
  前沢集落でも重い旗竿を立てるには男手10人は必要でなかなか容易ではなく、鉄製の掲揚旗の話が毎回話題となるが、祭り旗がべらぼうに長く鉄製ではなかなかの金額になるらしい。景観や心情的には切り出してきた材木の竿に勝るものは無い。
竿に選定される杉も長く真っ直ぐでなければならないし、切ったばかりの生木では重く、皮を剥いで数年かけ乾燥させてから竿として使えるようになるが、しばらくは長く重い木の竿を立てるしかないようである。


『町の防災マップ』

 天候不順による台風、大雨等々による悲惨な被害が増えていて、今回もテレビを見ているのも嫌になる。広島の場合でも「ここは大丈夫と思っていた」まさに対岸の火事である。
 南会津町でも春先に防災ハザードマップを全戸に配布している。 今週、無くされた方から再度頂けないかとの問い合わせが多くなっている。自分の地域のどこが危険個所か、想定されるエリアはどうなのか、一枚の地図ではどうにも食い止めることは難しいが、行政からの情報を基に自分も考え、地区民でも考え、地域にあった防災計画で、避難想定を立てて頂かないと、行政の出来る範囲、行政に頼る範囲には限りがあることを再認識する必要があるのではないだろうか。


『災害報道』

 今回の広島の災害現場レポーターにネクタイをしている記者がいた。最近ではさすがにヘルメットを着用しているようだが、災害現場のスタイルではない記者も少なくない。 多くの人の思い、現状を伝えたい一方、どの局、どの記者よりも早くとの、こちら側ではどうでもいいような競争がなされ、災害地、被災者のお怒りが見え隠れする場合もあるように思われる。よく考えれば、報道は新しいもの、新しいものと飛びつき、今回広島災害の前の福島原発や新潟災害さえも報道のスピードに忘れ去られてしまっているではないか。 時に報道は、お笑い番組並みに相手を追い詰め、心ならずも同感を得ない場面が最近多い中、本来伝えなくてはいけない「声」「映像」それは何なのか、NHK大越、井上キャスターの二人からは安心して届けられている気がするがどうだろうか。


『丸谷才一全集完結』

 作家、評論家丸谷才一(1925~2012年)の全小説と代表的な評論を収録した「丸山才一全集」(全12巻、文芸春秋)が9月6日第12巻の配本で完結する。
  文学の創作者であり、文学を俯瞰(ふかん)する案内役でもあった知の巨人の営みを総監できる。編さん委員を 務めた作家の池沢夏樹さんと辻原登さん、文芸評論家の三浦雅士さんと湯川豊さんが企図したのは「本棚に並べられるのではなく、今読んでもらう本にする」ということ。(2014.9.1福島民報)。私の本棚にも丸谷作品が一冊はある。先日立松和平全集28巻が届いたばかりで丸山全集企図についてまさに同感。立松作品についてもまた紐解いて頂きたく感じていて、何を隠そう自分自身に問うている。間もなく立松全集30巻も完結する。


『蕎麦の花』

 9月2日の夕方に祭り旗を降ろして、特に何もない秋祭りも終えた。9月に入り長雨の影響もありめっきり寒くなり、外していた障子をもとに戻した。
  今年は見事にまで蕎麦の花 が咲いていて、このまま台風でも来なければ豊作が見込まれそうだ。スキー場にほど近い13haの蕎麦畑は今ライトアップされカメラマンで賑わいを見せているというが、何でもいいから「外からの来訪者」を招かねば町の元気はない。可憐な白い蕎麦の花は多くの来訪者を集めることもできるが、そこに物語が無くては足を止めることは出来ない。
 舘岩には店も構えないで蕎麦を打ち、多くの後継者を作ったばぁさんがいる。宇都宮の友人たちはその蕎麦と話を聞きに足を運んでくれるが、蕎麦にも人にもそれぞれの物語がある。