『空き家ができた』
前沢集落で一人暮らしの方が亡くなられた。
子供は3人、正月やお盆に帰郷するだけなので、集落の方や親戚とも疎遠になってくる。長男家族が亡くなった父を連れ自宅に戻ってきた。普通なら早速葬儀の段取りになるのだが、留守になっていた家は集落の人が見舞いに行ってもまだ何も決まらない。仕方なく区長が指揮をとるかたちで準備が進む。今までは戸々の一軒割負担、屋根や排雪の除雪等々と、色々な問題が生じても集落は何らかの形で見守ってきているが、これからは増えても減ることはないのでそうもいかない。集落の負担を増やさないためにも、一定の約束事を作らなければ「結」も成り立たなくなる。
彼岸送りの朝、雪をきれいに掘ってあるお墓もあれば、頭も見えないお墓もあるにしても、せめて各家の先祖への線香の「香」が絶えることのない集落でありたい。
『文芸書が売れない』
昨夜のテレビ番組で雑誌も含め「本」が売れないという。若者世代の携帯等への支出や、それに係る機能での情報取得がいち早く可能なことから、紙ベースの売れ行きは一気に下落していて、特に文芸書の落ち込みはひどく、新潮社でさえも後3年持つかとの危機感が社にあるとのこと。
少し前までは、ブリタニカ百科事典や全集などを本棚に置く事が当たり前、旅行にも旅の雑誌を脇に抱えていたもの。それが今では掌で情報が全て入るのだから必要ないと言えばそうにもなる。電車の片並びの座席10人いれば6人が携帯、2人は寝ていて、1人はぼ~としていて、1人が新聞か本を読んでいるらしい。特に大学生の読書時間は半数が皆無に等しいらしく、期待された電子書籍でもカバー出来ない次元まできていて、本(紙)離れはますます進んでいくと危惧されているから心配だ。せめて、保育園、小中学の図書室、市町村の図書館が真新しい絵本や、図書で毎年充実するならそんなことにも少しは役に立つのだろうが、文科省の予算配分に期待することは無理なようだ。作家たちも声を大きくしてみてはどうだろうか。
『オニオンスライス』
宇都宮の「アユルものがたり」出版記念会で、長女桃子さんの旦那さん、山中聡さんが「和平」を演じ好評を博した。4月「こだまを抱いて」出版記念会のチラシには、「オニオンスライス」原作:立松和平、出演:山中聡とある。和平信者なら、オニオンスライスは有名な話で、またひと時「和平さん」に会える機会となろうから、是非、足を運んで頂き絵本を手に取りながら、和平さんの世界を楽しんでほしいと思う。私たちも、舘岩からの土産とビデオカメラ持参で駆け付けたい。
『雪代(ゆきしろ)』
少し雨が降って雪が消え始まると、軒先も2月の大雪を忘れたようにドンドン雪が消えていき、河川も水嵩が増え灰色の水が流れていく。山奥の林道もナデコケが心配されるが、駆除隊はスコップ持参でスノーモービルを走らせる最後の期間だ。先日、東京上野で開花宣言がされた。こちらの桜は例年5月の連休に満開となるのだが、今年の桜前線はどうだろうか。福島は三春桜に花見山、大河ドラマ八重の桜の若松と、桜の名所は事欠かないが、山全体が新芽を吹かない雪代が終わるころの舘岩の山桜も一見の価値がある。
『新宿の桜』
4月から鍼灸治療院を開院するお弟子さんへの治療器具用ワゴンが出来上がり、納品の為東京へ車を走らせた。新宿花園神社境内の桜もだいぶ開花していて、車の窓越しに花見をすることも出来たのだが、濃いピンク色の桜を見慣れているせいか妙に白っぽく感じた。竹村治療院の患者さんの治療が全て終えた3時半過ぎに5台のワゴンを無事納品。追加で注文を受けているつい立のデザインと鍼灸針入用焼物の確認をさせて頂いた。先生は体調が悪いと言いながらも、遠方からの客人と薬膳料理で夕食を済まされると、足早に看板の確認のために修善寺に向かわれた。治療院には4軒の鍼灸院の案内チラシが置いてあるが、また新しい案内チラシが追加される。「鍼灸」修善寺の看板、舘岩のワゴンと新米鍼灸師へ竹村先生のメッセージは「濃い桜色」のよう、心に刻まれていくように思う。
『同窓会報賛助金』
年4回ほど高校の同窓会報が送られてくる。失礼ながらこれと言って驚くほどのニュースは載っていないのだが、編集されている方は記事を集めるにしても大変な努力をされていると感謝している。会報には年一度、賛助金名目で千円の振込用紙が同封されてもいるが、入学希望者の激減でクラス数も再編され、学校も同窓会の存続も危ぶまれているが、会報を受け取るなら、せめて同窓の責務として賛助金の協力は忘れないでいてほしい。