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『屋根の雪下ろし』

 二週続けての大雪でさすがに戸が開かなくなってきた。屋根を見上げれば見事な綿帽子。写真家が喜ぶ風景だ。
 今回下ろせば四回目となる。母家だけでなく蔵、車庫、物置と農家にはなくてはならない建物も多い。下ろした雪の排雪もなかなか重労働で、高齢者、一人暮らしの世帯へは除雪補助も制度として存在するが、毎度補助とも行かなく地区あげてのボランテイアが存在する。よくテレビでも放送されるが、その一人・高齢者世帯の息子や娘は何を考えていると言わざるを得ない世帯もあり、平気でボランテイアにゆだねる傾向には眉をしかめたい。
「息子は来るんだべ」
「忙しくてこれないっていうから、わり~がおれうちも下ろしてくれないか」
残念なことにこんな会話も多くなってきた。
 毎度の救急車で搬送された方の家は留守。道路に屋根から落ちた雪を片付けるのは隣の住人。
「お願いしたい」との電話も無くまことに勝手だ。「金」で解決することもあるが、小さな集落はそのようなものではない。週末に予定していた屋根の雪下ろし、見かねた方が下ろしてくれ、排雪だけをすればよいことになる。「結」は本当にありがたい。



『ブッタの教え』

色紙
 頂いた何枚かの色紙の中に「すべての世間にそむくことなく犀の角のようにひとり歩め」と書かれたものがある。いつもカバンに入れてある岩波文庫「ブッタのことば」によれば、犀の角が一つしかないように、求道者は、他人の人々からの毀誉褒貶(きょほうへん)にわずらわされることなく、ただひとりでも、自分の確信にしたがって、暮らすようにせよ、の意である。と訳されている。誰もが日々の生活では「自分らしく生きる」事の難しさを痛感していると思われるが、私はなかなか意味深い「色紙」を頂いている。

『命の水』

 二週続けての大雪は全国的にも大きな被害をもたらした。雪に慣れているはずの南会津町旧舘岩地区でも基幹道の国道352号線が止まり、町道、私道も除雪機の対応が間に合わない状況が続いた。数日たてばどこでも大型除雪機による除雪、排雪作業により事なきとなり「いやぁ降ったなぁ今年は雪が多いや」となる。
 12月の下旬の頃には雪が降らなければスキー場が困り雇用にも影響するので、雪が降らなくていいとは言いにくい。それでもなるべくなら浅雪にこしたことはないが、浅雪なら夏以降の水不足に影響する。
 前沢地区は裏山からこんこんと湧き出る清水を各世帯が引いていて、炊事はもとより農業用水としても利用している大切な水となる。地球的な異常気象は何ともしがたいが、命の水は木々に守られた山の恵、一滴から沢となり、川となり、海となり、雨や雪となる。自然の循環は素晴らしいが狂い始めれば手の付けようもなく、壊すも守るも人となる。