『色紙集 』
旅先で出会った方々への色紙の数で本が何冊にもなろうか。そんな「本」を出版がつくってくれないかと望むほどの「名言」がある。
・流れる水は 先を争わず。
・無理しないで
人にあったそこそこで
生きていこうよ。
・故郷はいつも帰って楽しんで
胸に染みわたる酒のうまさよ。
・一人の人生には
他人の知らないことがいっぱいあるんだ
そのことをいちいち教えなくてもいいじやないか。
・世の塵にまみれて
ここに集まる 酒はうまいし
みんな仲がよい 幸福の時よ。
・すべての世間にそむくことなく
犀の角のようにひとり歩め。
旅先でどれほどの人たちと会って、どれだけペンを走らせたのでしょうか。 愛用のコクヨの原稿用紙に綴られていない「色紙」。個々の中だけに刻むにはもったいない誰に書いたかわかってしまう。
そんな「名言」がいっぱいです。
『伊藤家 』
三年ぶりに伊藤家がやってきた。
伊藤さんは、元農林水産省のキャリア。出向先の国土庁の仕事からお付き合いが始まり、25年にもなろうか。
山や川で遊んでいた息子は妻を迎え、娘は家の居心地がいいのかいまだに学生だ。
電車通勤、車の送迎付きで過ごした伊藤さんは、車の運転が苦手。家族が運転を心配するので一人でドライブも厳禁、こちらへの遠出はもっての他なのである。
今回の旅は、息子夫婦が運転、娘がナビをつとめ紅葉といつもの蕎麦三昧を選定。昼に到着するなり、行きつけの宿で「蕎麦」。それからは馴染みの面々へのご挨拶を兼ねて村を一周。付き合いがいいからどこにでも友人が居るので道先案内も必要がないほどに、今では何もかまうこのない御一行様になっている。愛犬を連れられているので、宿は友人の別荘をお借りし、夜は馴染みの面々と郷土食での宴会となる。急きょ、訪れたNHK新潟局勤務の佐々木くんまでもが宴を囲み、薪ストーブの温もりも心地よく、昔話に長いお付き合いを確認する。
奥様が突然、館岩で頂く蕎麦は本当においしいけど、浜美枝さんと来た時の蕎麦が忘れられないとの事。村一番の蕎麦打ち名人のキミエさんの蕎麦だった。
何を隠そう。今晩は80歳になったキミエ蕎麦でのお・も・て・な・し。
笑いと共に、出会った頃がみごとに蘇る。