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『若い漫画家のたまご 』

 雪でも降りそうな寒々した雨模様の日曜日、あまりに寒そうに絵を描いていたので暖を取るよう我が家に招きいれた。
 若いお姉さんはアルバイトをしながら漫画家を目指していると言う。今日は高杖のペンションに宿をとったとのことで、宿の方が迎えに来てくれるまで、法事よばれに来ていた叔母に昔の頃の話をして頂いた。
「うわえん」の本棚に並ぶ立松氏の「本」を手に取りながらも、彼女は「立松を知らない」と言う。
 一冊の絵本を取り出し読んで頂いたのだが、「和平文庫」の果たす役割はあまりにも大きいとつくづく感じながら、またの来訪を楽しみにしていると送りだした。
『未上演作「黄金の森」』
 
 和平さんは新作歌舞伎「道元の月」を書かれた。
「政一、歌舞伎座の大谷竹次郎賞を知らないだろうがすごい賞なんだ」
 わからないと思うなら聞くなよと思いつつも、配役は坂東三津五郎、中村橋之助・・・・と畳み込むように語り、いかにも受賞を「やったぞー」との思いが伝わってくる。
 何回かお誘いを受けたが「歌舞伎」とは縁がなく、観る機会を失ってしまった。聞けば当時の歌舞伎座の大沼支配人は、物書きの和平さんに7回ものダメだしをしたそうな。それでも書き上げた和平さんがすごいのか、大沼さんがすごいのかは比べようもないが、和平さんは日光の狩人を主人公にした次作「黄金の森」を書き上げたが上演を迎えることはできなかった。
 紹介された大沼さんとは今も親交があり、「道元の月」もビデオで頂く事ができた。先日、大沼さんはライフワークとする「色鉛筆展」を新歌舞伎座の近くで開催されご案内を頂いたのだが、初めて見た新歌舞伎座の華やかさに、是非とも「道元の月」の再演、「黄金の森」の上演を待ち焦がれている。