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『東京霞が関』

 それこそ昔々。仕事で東京の霞が関の国土庁に出向いた。大きなスキーザックには、秋の味覚「舞茸」が一杯詰まっている。当時お土産は当たり前のように持参されていてどちらもが当然との認識があった。
 慣れない電車行は地下の駐車場に出てしまい、守衛さんと思われる方が地方から来た珍客を気の毒そうに「どちらから来ました」との問いに、浅草から地下鉄でと答えると、笑いながらも会津に親戚が居ると、親切に会議室直通のエレベーターホール迄案内して頂く。
 「舞茸」効果もあり、村の振興計画はスムーズに説明がすんだ。当時、国の担当者の一人山本女史とはその縁で、うまい酒を酌み交わしながら、沢山の部署の方を紹介して頂いたことで、電車網を一人歩きできるようにもなり、奈良に転勤となった今も、家族での交流が続いているが、約束した「奈良」への訪問はいまだに不履行となっている。
『女優・浜美枝さんの講演会』
 
 国の表彰を受けて記念の式典が開催されることとなり、講演は審査員の一人女優の浜美枝さんに依頼することとしたが問題が発生した。
 その当時の講演料は村の予算範囲をかなり超える金額。依頼した者は「来てほしい」の思い込みでお願いし、講演料は何とかなる。何とかするではなかった。また、縁をたぐる。当時の担当で浜さんをよく知る農水省勤務の伊藤課長に間をとって頂き、運よく浜さんが隣村に来られる前日にお願いすることができた。
 そこでまた問題が発生した。村一番広い会場は中学校の体育館。その日は授業だ。
 教育現場は制約が多く、学校行事は秋に決定されていて変更する事などの頭は働かない。ならどうする。授業参観日をあてることとした。
 女優浜美枝さんの講演会なら集客しなくても人は集まる。
 当日、体育館に用意した300席の椅子では足りなく、急遽生徒達は自分の椅子を持ち込んでも間に合わず立ち見までの状態は、ただただ、女優の力に驚くばかり。
 後日、頂いた講演請求書に安堵し、伊藤さん、マネジャーの石塚さんに感謝感謝。
 学校まで巻き込んだ講演会は大盛況、来ていただいた人には感謝されても、担当の枠を超えた行動に賛否両論。