「生の現場」を捉える立松文学 |
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黒古一夫(文芸評論家・筑波大学大学院教授) 第一巻が一二月に刊行され、二年半後の二〇一二年四月に全三〇巻の刊行が終了する予定の『立松和平全小説』(第一期九巻 第二期二巻 第三期一〇巻 A5判 九ポ二段組 各巻平均四五〇頁)、ここには文壇的処女作と言われる『途方にくれて』(七〇年)以前の、立松が早稲田大学在学中に所属していた「文章表現研究会」の仲間と出した同人誌「むむむ」に掲載した『溜息まじりの死者』(六八年執筆)などの「習作」から、最新作の『人生のいちばん美しい場所で』まで、立松和平が四〇年にわたって発表してきた長短合わせて二二一の作品が編年的かつテーマ別に収められている。
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全
集 出 版 に 寄 せ て |
私は作品の数が多いので、全集の刊行などとても無理だと思っていた。自分でもよくわからないのだが、共著や文庫や絵本をあわせると三百冊前後はある。ある時、筑波大学の黒古一夫教授から、全小説集を刊行してみないかと誘われた。小説だけに限ってみるなら、全部で七三冊、長短で二二五編、枚数にして四万三千枚余りだという。
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全小説 第1巻 |
青春の輝き |
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■途方にくれて
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初版発行:2010年1月12日
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全小説 第2巻 |
惑いと彷徨 |
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■人魚の骨
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初版発行:2010年2月15日
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全小説 第3巻 |
異議ありの声 |
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■たまには休憩も必要だ
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初版発行:2010年3月19日
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全小説 第4巻 |
闘いの果て |
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■今も時だ
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初版発行:2010年4月30日
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全小説 第5巻 |
旅に棲んで |
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■雨月
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初版発行:2010年6月10日
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全小説 第6巻 |
「戦後」のはじまり |
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■野のはずれの神様
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初版発行:2010年7月10日
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全小説 第7巻 |
昭和という時代 |
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■閉じる家
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初版発行:2010年8月10日
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全小説 第8巻 |
歴史へのまなざし
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■天狗が来る
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初版発行:2010年9月10日
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全小説 第9巻 |
冒険に駆り立てられて
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■砂の戦記
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初版発行:2010年10月10日
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全小説 第10巻 |
境界を生きる1 |
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■遠雷
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初版発行:2010年11月30日 |
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全小説 第11巻 |
境界を生きる2 |
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■性的黙示録
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初版発行:2011年2月10日 |
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全小説 第12巻 |
境界を生きる3 |
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■雷獣
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初版発行:2011年3月31日 |
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全小説 第13巻 |
境界を生きる4 |
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■雷神鳥
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初版発行:2011年6月30日 |
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