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『ふるさと回帰支援センター』

 初代の理事長を和平さんが務め、事務局長高橋公さんら旧知のヘルメット部隊が脇を固めて、仕事に一段落ついた団塊の世代、何か区切りをつけたい世代のふるさとへの回帰を支援している。
 私の父は男6人女6人で総勢12人の長男。長男が家を継ぎ、他は本家から土地を譲り受け分家するか、仕事を求め、都会への憧れ等々それぞれの「道」をみつけて故郷を離れた。仲がいい、悪いはあるにしてもまだ6人が残り、生まれ故郷の年数より長く住みついた先の生活が「ふるさと」となっている。舘岩も温泉はあったものの、昭和60年頃から民間と手を組んだスキー場開発が当たり一躍リゾート地となり多くの観光客が押し寄せることとなり村が変貌した。
 都会に村の広告ポスターが張られ、大手旅行会社がツアーを組むようになると、お盆、正月に顔を出す程度の兄弟も子供、知人を連れてきた時代も今は昔、訃報のお知らせが兄弟親族唯一の集まりとなっている。車も少ない時代、ふるさとの交通・医療などの不便は今の比ではない。それでもまだ集落を支える数がいて元気だった。
  今は「山の手入れ」「雪かき」等々の「手」がなく、センターが望む回帰者の都会でのノウハウをふるさとに活かす。わからんでもないが、現実はそれを望まないこともままある。しかし、一軒一軒朽ちていき集落として維持できない現状の今、是非ともセンターに期待するところがあるが、わが村(家)は、センターに支援されることのないよう、親族が心地よく集える本家であり続けたい。

『おじいさんの机 』
 
 河出さんから出版されている絵本に「おじいさんの机」がある。和平さんから、ここ館岩が題材だと聞いていて、こちらにお出でになった際に、無理を承知で朗読会をお願いした。
 ふるさとに祖父を置き、都会で暮らす少年が少しずつ自立していく物語。主人公寛太の机の引き出しの中にある「ふるさと」は、誰もが本箱に置いてあるアルバムに求めるごとく、年代的に荒井由美の卒業写真が連想される秀作と思う。子どもがお世話になった先生方の離任の際、和平さんのサイン入りでお渡ししたが、本箱に置かれ館岩村、立松文学が静かにも温かく語りつがれることを願うものです。